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老年疾患

当院の院長は、総合内科および内科老年科の診療のエキスパートである
日本内科学会 総合内科専門医・指導医、日本老年医学会 老年科専門医・指導医です

フレイル・サルコペニア

フレイルとは、「加齢により心身(運動機能や認知機能など)が老い衰えた状態だが、早期から適切に介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性がある身体状況」を示す医学用語として使われています。フレイルは、風邪をこじらせてから肺炎を発症するなど病気にかかりやすかったり、入院が必要になったり等、身体的ストレスに弱い状態です。さらに、転倒による打撲や骨折、病気による入院をきっかけにフレイルから寝たきりになってしまうこともあります。また、身体的変化のみならず、気力の低下など精神的・社会的な変化もフレイルに含まれます。

一方、サルコペニアとは、「筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態」を示す言葉です。サルコペニアは、特に高齢者の身体機能障害や転倒のリスク因子になり得るとされています。
サルコペニアがフレイルにつながったり、逆にフレイルの状態がサルコペニアを助長するなど、この2つの状態はお互いに関連し合っています。

フレイルの予防においては、運動介入、栄養介入、口腔ケア、社会参加(生きがい)の促進、ポリファーマシー(下記に詳述)対策などの介入を進めることが重要です。サルコペニアの予防には、レジスタンス運動(筋トレ)を適切に取り入れる事が有用です。

ポリファーマシー

高齢になると、複数の持病のそれぞれに対し薬を複数使っている方が増えてきます。70歳以上の高齢者では6つ以上の薬を使っている方も珍しくありません。ポリファーマシーとは、一般には多くの種類の薬剤を服用している状態を指しますが、医学上問題になるのは、それに関連する薬の副作用のリスク増加、薬の内服の間違い(過剰内服、飲み忘れ)といった状態です。

何種類以上からがポリファーマシーという厳密な定義はなく、治療や予防のための薬は多剤となっても継続は必要ですが、6つ以上の薬剤を内服していると副作用起こす高齢者が増えることが分かっています(Kojima T , Akishita M, et al. Geriatr Gerontol Int. 2012) 。高齢になって腎臓や肝臓の働きが落ちると薬の代謝・排泄が低下して、これまで無かった副作用が症状として現れることもあります。また、薬の数が多くなると飲み忘れを起こしやすくなり(服薬アドヒアランス低下)、効果不十分と感じた医師がさらに薬を追加し、それで生じる薬の副作用を新たな病気とし新たな薬で対処し続けるという悪循環(処方カスケード)が起こる可能性もあります。

当院では、総合内科・老年科の観点から、一人の高齢者患者さんの使っている薬剤(他院の処方分も)もチェックし、ポリファーマシーの問題が起きていないか確認しながら診療を進めていきます。特に糖尿病で通院される高齢者の方には、低血糖を助長しやすい薬剤(スルフォニル尿素薬、インスリンなど)の慎重かつ適正な処方、投薬指導をしていきます。

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