高尿酸血症・痛風
尿酸は細胞内の核に含まれるプリン体が分解される際に生じる老廃物で、過剰に産生されるか尿中への排泄力が低下することによって血中濃度が異常に高くなってしまう状態です。
高尿酸血症には、尿酸の排泄が低下する排泄低下型、体内で尿酸をつくりすぎる産生過剰型、両者のある混合型の3つがあります。
高尿酸血症の患者さんの大半が男性です。
高尿酸血症を放置すると体内で尿酸の結晶がたまり、関節内で炎症を起こすと激痛を伴う痛風発作、腎臓や尿管で貯まると腎結石(痛風腎)や背部痛を伴う尿路結石症を引き起こします。
また、高尿酸血症は動脈硬化を促進してしまうリスクとされます。
診断
高尿酸血症は尿酸値が7mg/dl以上で診断されます。
9mg/dl以上もしくは8mg/dl以上で腎障害・高血圧・糖尿病・肥満などを伴うものは、薬物療法を含む早期の治療がすすめられます。
治療
プリン体の80~90%は体内で作られますが、ビール、肉(内臓系)、魚の干物などに多く含まれているので、プリン体を多く含む食品の取り過ぎには注意が必要です。
また、ビールだけでなくアルコール自体が尿酸値を上げる作用があるのでアルコールも適量までの摂取に止めましょう。
野菜や海藻の摂取は尿のアルカリ化を促進し、尿管結石ができにくくします。
また肥満の方は、排泄低下型の高尿酸血症になりやすいので、体重コントロールも重要です。
それでも高尿酸血症が持続する方には、その方の型に応じて尿酸排泄促進薬や尿酸生成抑制薬といった尿酸低下薬を用います。
ただし、痛風発作が起こっている間に尿酸低下薬の使用を開始すると発作を悪化させることがあるので、当面は鎮痛薬などで痛みを抑え、軽快後に薬物療法を開始します。